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英語の個別指導講師が経験したこと、考えたこと

個別指導のコツ2 質問されたら即答するな

個別指導塾の講師としてそろそろ経験が溜まってきたので

個別指導のノウハウも記録しておこうと思います。

 

今日はその第二回です。

 

1対1で集団指導をしているだけ

個別指導で先生がしていることを見ていると、それは1対1というセッティングで集団指導をしているだけだと言いたくなるような授業を目にすることがあります。つまり、人数が一人のクラスに対して集団指導という形式で指導をしている先生が時々います。

集団指導と個別指導の根本的な違いだと私が思っていることは、集団指導は講師が自分が重要だと思ったことについて自分が設定した長さ話すことができる一方で、個別指導では生徒にとって重要なことについて講師が話さなければならない、ということです。

これを踏まえてよくある個別指導でのやりとりを再現してみましょう。

 

生徒:「先生、今日学校で現在完了を習ったんですけど、よくわかりませんでした」

講師:「そうか。現在完了っていうのは、過去に起こった出来事が現在にまでつながっているという意識がある時に使われる時制なんだ。形はhave+過去分詞。拡張された現在という言葉で説明する人もいるよ」

生徒:「...」

 

このやりとりは、生徒の質問に対して、先生が話したいこと、話せるネタとして持っていることを一方的に投げているだけです。これでは個別指導とは言えません。対話になっていません。現在完了をテーマに集団指導しているのと同じことです。

さらに問題なのは、学校の先生も、この講師とほぼ同じ説明をしている可能性があるということです。生徒は一度聞いてもわからなかった講義をもう一度聞かされる羽目になります。お金をわざわざ払っているのにこの仕打ちは受け入れ難いでしょう。

 

本当の意味での個別指導をするためには 

では本来の意味での個別指導をするためにはどうすれば良いのでしょうか。私の答えは生徒に質問をしろ、です。

個別指導では生徒にとって意味のある話をしなければなりません。したがって、生徒がなぜその質問をすることになったのかの経緯を明らかにする必要があります。これを踏まえない個別指導の先生は本当に多いです。

 

理想的な質問応対の例

では先ほどの例の理想的な流れを見てみましょう。

 

生徒:「先生、今日学校で現在完了を習ったんですけど、よくわかりませんでした」

講師:「そうか。じゃあ、学校で先生はどんな説明をしてくれて、それのどこがわからなかったの?」

生徒:(教科書を取り出しながら)「教科書のこのページなんですけど、なんか過去に起こったことが現在まで影響している時に使うって言ってて。でも過去って全部現在に影響してますよね」

講師:「ああ、なるほど。現実的に言うと、確かに全ての過去の出来事は現在にまで影響している。その影響関係のすべてをいつでも意識して僕たちは生活しているわけではないよね」

生徒;「はい」

講師:「で、とは言えその影響関係を意識することもある。意識している時には現在完了形を使って、意識していない時は過去形を使う。そういう区別でとりあえずは問題ないと思う。事実として影響関係があるかないかではなくて、その影響関係を意識しているかしていないか、の差。だから現在完了形について説明する時に、過去にも現在にも目を向けている時に使う、と説明する文法書もある」

 

上の例では、講師が生徒に質問に至るまでの経緯を尋ねることで、生徒が何を知りたいのかをより詳しくすることができています。この生徒に「現在完了形は過去と現在がつながっている時に使う」と説明していたら、この生徒の疑問は何も解決しないままだったでしょう。

 

逆質問をすることで生徒に何を教えるべきなのかをはっきりさせよう

「現在完了形がわからない」という訴えを生徒がしてきた時に、その訴えが生まれてきた背景は様々なものがあります。パッと思いつくだけでも

  • 英語の時制体系が馴染まない。
  • have+過去分詞で一つのセットになることをわかっていない。
  • なんでこのような時制が必要なのかわからない。
  • 過去形との区別がわからない。
  • 経験、継続、完了、結果って何のことかわからない。

などがあり得ます。生徒がどのような背景をもってその訴えをしたかのも明らかにするのが、効果的な授業をする第一歩です。生徒の質問の意図を明らかにしないまま独善的な回答をして生徒に無駄な時間を過ごさせないように注意しましょう。